2011-09-16 第178回国会 参議院 本会議 第3号
日高川流域では、アユの養殖場は泥水にのまれて壊滅。堤防が決壊し、収穫期を迎えた稲は全滅、四十年掛けてつくり上げた広大なミカン畑は瓦れきの山というような有様です。 三重県紀宝町の熊野川支流では、堤で覆った中に住宅を建てる輪中堤を越えて水があふれ、大きな被害をもたらしました。
日高川流域では、アユの養殖場は泥水にのまれて壊滅。堤防が決壊し、収穫期を迎えた稲は全滅、四十年掛けてつくり上げた広大なミカン畑は瓦れきの山というような有様です。 三重県紀宝町の熊野川支流では、堤で覆った中に住宅を建てる輪中堤を越えて水があふれ、大きな被害をもたらしました。
日高川流域について申し述べますと、十三号台風の襲来により、日高郡一帯に各河川は氾濫し、仮堤防は崩壊し、橋梁及び仮橋は流され、道路は決壊、交通不能となる惨事を起したのであります。七月十八日、水害後間もないことでもあり、風水害に対する事前対策を講じたため、人的被害は比較的軽少にとどまつたのでありますが、水害でいためつけられた家屋の多くは、風でもろくも倒壊されたのであります。
日高川流域で最もひどいと言われる川上村は河口から三十キロ余の所にありますが、ここでの死者は百二十四名、家屋の全壊、流失三百六十二戸、水田は百二十町歩のところ百十町歩を流失、埋没、山地山林の崩壊は千二百個所、村内の道路は殆んど全部破壊されるという惨状であります。食糧を絶たれ、道路の復旧に専心してようやく通行が今月初めから可能になつておりますが、まだ役場から先は人力によつて行なつております。
和歌山県の側にありましては紀ノ川の支流に貴志川というのがありますが、この貴志川の流域とその南の有田川流域、その南の日高川流域が、甚大な損害を受けております。その日高川の河口にあります御坊という町は、人口一万五、六千の町でありますが、これが全町水につかつた。その全町も、一番軽いところで床上二尺くらいというような状態でありました。
県当局から概況の説明を受けましたのち、直ちに災害現地の視察に入り東野上、中野上、南野上、小川等貴志川流域の野上谷一帯の町村、箕島町、保田村等、有田川下流の町村等被害甚大であつた現地の視察を行い、翌日は更に箕島、切目の間を陸上交通杜絶のため、海路より比井崎港に上陸いたし、日高川流域の御坊町並びに附近町村の調査を行い、早朝から深更まで日程の許す限り泥棒を衝いて詳細視察をいたし、又罹災者に対し慰問を行いました